「桜が咲くまで」
―糸から花になる時間―

春になると、
毎年つくりたくなる花があります。
それが、sakura。
今年は、
その桜が咲いていくまでの時間を、
少しだけ並べてみようと思います。
ーDesign Work(デザインワーク)ー
はじまりは、デザインから。
まだ花になる前の、
カタチの気配のようなもの。
ここからどんな花になるのか…
まだ誰にも分かりません。
花びら一枚一枚に、ほんの少しの揺らぎを含ませたり。
実際のお花から、カタチをすくい取ることもあります。
まだ名前も持たない、咲く前の時間です。

ーWire Work(ワイヤーワーク)ー
次に、骨組みをつくる時間。
ワイヤーを添わせて、
立体の支度をしていきます。
この工程があるから、
あとから花が自由に息をできる。
そんな土台のような時間です。

ーStitch Work(ステッチワーク)ー
糸を重ねていく刺繍の工程。
ひと針ずつ、
花びらに近づいていく感覚。
まだ桜ではないけれど、
確かに“咲こうとしている”
そんな途中の姿。
淡い色を重ねながら、
少しずつ深みが生まれていく。
光を含んだような糸が重なり合うことで、
やわらかな奥行きをつくっていきます。
境目のない色の移ろいは、どこか幻想的で、
静かな美しさをつくっていきます。

ーEdge Work(エッジワーク)ー
輪郭をととのえる時間。
縁に、そっとステッチを入れていきます。
ワイヤーをやさしく固定しながら、
この後の工程でほつれないように。
そして、糸そのものもカタチを保てるように、
そっと支えていく工程。
崩れないように整えながら、
花の輪郭を静かに引き受けていきます。
ひと針ごとに、
カタチが落ち着いていくような、
静かな集中が続く時間です。

刺繍枠から外して…

ーCut Work(カットワーク)ー
そして、布から切り離していく。
糸を切ってしまわないように、
慎重に、静かに布から解き放っていきます。
最も集中力のいる工程。
平面だったものが、ふわりと空気をまといはじめ、
カタチが自由になっていきます。

ーForm Work(フォームワークー
お仕立ての工程。
ビーズを添えたり、
ワイヤーに糸を巻いて枝作りをして
花の細部を整えていきます。
その後、アクセサリーパーツを纏って、
身につけられる形へ。
お耳飾りになったり、
ブローチになったり、
髪に宿る花になったり…。
それぞれの花が、
それぞれのカタチを持ちはじめる時間です。

ーBloom Work(ブルームワーク)ー
ふわりと、咲かせる時間。
花びらの向きを整えたり、
枝の角度を少し変えたり。
その日の気分や装いに合わせて、
お好きなかたちに咲かせていただけます。
あなたの手の中で、
そっと完成していきます。

こうして咲いた桜たちは、
それぞれの場所へ旅立っていきました。

蕾のようにそっと閉じたり、
七分咲きのやわらかな表情になったり、
満開にひらいたり。


立体刺繍だからこそ生まれる、
光を含み、透けるような美しさ。

その時々のかたちで、
その人の中にある季節と重なりながら、
静かに咲いていきます。

今年の桜もまた、
誰かの春に、
そっと寄り添えていますように…❀

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