「虹色の木」
―雨が虹に変わるとき―
やさしい雨
静かな空から落ちた雫が、
ひとつ、またひとつと
地面を叩く。
それは悲しみの雨ではなく、
長い冬をやさしく溶かす
雫の雨。
冷えた空気をほどきながら、
季節の奥に残っていた記憶を
ゆっくりと目覚めさせていく…。
その雫を受けて、
一本の木が
ゆっくりと息を返す。
色のない花を咲かせながら、
枝の先で小さく虹を灯していく。
まだ名もない光が、
静かに生まれていく瞬間。
ボタニカルドロップ
わたしたちは宇宙のひと雫。
見えない流れの中でめぐり、
またこの場所に還ってくる。
触れては離れ、
離れてはまた出会いながら、
光の記憶を運び続けている。
∗atelier eni∗ の花もまた、
その雫の記憶を糸に溶かし、
祈りのように縫い込んでいく。
ひと針ごとに重なるのは、
色だけではなく、
見えない時間のカケラ。
イロアソビ
あの時つかまえた景色の記憶を、
少しずつ解かしながら、
私の色とあなたの色を重ねていく。
違うままの色たちが出会い、
境界をやさしく溶かしていく。
滲む境界に、
あたたかな息が宿る。
色は混ざり、溶け、
やがて世界を
やさしく染めていく。
はっきりしないからこそ生まれる、
名前のない美しさ。
色が語るもの
ここからは、
色たちが語りはじめる物語。
今までのすべてを抱きながら、
ゆっくりとほどけていく時間。
言葉にならない想いも、
光の粒のように滲みながら、
どこかへと届いていく。
それはきっと、
あなたの中で、
あなたのそばで、
静かに続いていく物語。
誰にも見えない場所で、
そっと色づいていくもの。
虹色の木
空の涙と大地の祈りが交わる場所。
その根の下で、
∗atelier eni∗ の花たちは
今日も静かに、光の色を紡いでいます。
雨がやがて虹に変わるように、
やさしい記憶たちを束ねながら…。

二人展 “peni no sekai” にて。
nyahmullkroppe様の描く世界と∗atelier eni∗の花が重なった景色。
∗atelier eni 126∗
