「草花を、纏う。」
― あの日の野原から、eniの世界へ。―

小さな頃、
野原にしゃがみこんで、
白詰草を摘んだ記憶があります。
一本摘んでは、また一本。
小さな花をつないで、
長く、長くして編んで。
できた輪っかを冠に見立てて
頭に乗せたら、
ほんの少しだけ、
絵本の中の人になれたような…。
そんな気持ちでいたことを
今でも覚えています。
大人になった今でも、
道端や野原に咲く草花を見つけると、
つい足を止めてしまいます。
小さな葉っぱ。
細い茎。
風に揺れる花。
誰かに見つけてもらおうとするわけでもなく、
ただその場所で、その季節を生きている。
そんな草花の姿が、
昔から好きなのだと思います。
そして今、
私はそんな草花を
針と糸で咲かせています。
最近、
ひとつやってみたいことができました。
草花をひとつ、
アクセサリーとして身につけるだけではなく、
耳にも。
髪にも。
指先にも。
手首にも。
胸元にも。
まるで、
絵本の中に出てくる草花を
そのまま纏うように。
∗atelier eni∗の世界そのものを、
身につけることができたなら…。
そんなことを
考えるようになりました。

これから少しずつ、
ひとつの草花から
いろいろなアイテムへと展開して、
トータルコーディネートを楽しんでいただける作品を
つくっていきたいと思っています。
そのはじまりに選んだのが、
clover。
今回の撮影では、
ピアス、
イヤカフ、
ヘアアクセサリー、
リング、
ブレスレット、
ブローチを身につけました。
耳元から髪へ。
指先から手首へ。
そして、胸元へ。
ひとつ、またひとつと
クローバーを纏っていくと、
まるで身体のあちらこちらから
小さな草花が芽吹いていくようでした。
クローバーの緑は、
いくつも身につけても
甘くなりすぎず、
自然にその人の中へ
馴染んでくれるように感じます。
素朴で、
ナチュラルで。
それでいて、
少しだけ物語の中にいるような。
そんな雰囲気を
楽しんでいただけたらと思っています。
そして、その中には、
そっと、
幸せの四つ葉のクローバーも。
子どもの頃、
たくさんのクローバーの中から
四つ葉を探したように。
見つけたときに
少しだけ嬉しくなるような、
小さな幸せを忍ばせています。
すべてを纏っても。
ひとつだけを選んでも。
その日の服や、
その日の気分に合わせて、
自分だけの草花の纏い方を
見つけていただけたら嬉しいです。
いつもの装いにはもちろん、
大切な方へのプレゼントや、
特別な日の撮影にも。
そして、
草花を纏うような
ナチュラルなブライダルにも。
身につける人によって、
そこからまた
違う物語が生まれていく。
そんな作品になっていったらと
思っています。

また、身に付けない時でも
置いておくだけで
空間を彩るオブジェの様。
お部屋に、枯れない草花を咲かせます。
小さな頃、
野原で白詰草をつないで、
長く、長く編んでいた私。
大人になった今は、
針と糸を持って、
ひと針、またひと針。
あの頃とは
ずいぶん違うことをしているようで、
もしかしたら、
やっていることは
あまり変わっていないのかもしれません。
やっぱり深い深い根っこの方で、
私は繋がっているみたい。
草花をつないで。
身につけて。
ほんの少しだけ、物語の中へ。
あの頃の私は、
野原に咲く白詰草で。
今の私は、
∗atelier eni∗に咲く草花で。
そんな世界を、
これから少しずつ
つくっていきたいと思っています。
ただいま、
トータルコーディネートを楽しんでいただける
clover seriesを製作中です。
耳元にも。
髪にも。
指先にも。
それぞれの場所に咲いた草花が
ひとつにつながったとき、
どんな物語が生まれるのか…。
私自身も、
とても楽しみにしています。
あの日の野原の続きを、
今度は、eniの世界で。

∗atelier eni 190∗
﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍
立体手刺繍アクセサリー
atelier eni の作品は
オンラインショップでもご覧いただけます。
刺繍から生まれた草花たちを
お届けしていますꕤ

