「余白をつくる。」
― 新しい風を迎える、小さな儀式 ―
最近、
「削ぎ落とす」ということを
よく考えています。
断捨離や手放しを、
意識的にしてみた糸感じるのです。
新しいことを始めたいから。
ではなくて、
新しい景色を見たいから。
そのために、
今あるものを少しだけ軽くする。
そんな時間が、
今の私には必要なのだと感じています。
庭の木も、
枝が伸びすぎると、
光や風が届かなくなります。
だから、
育てるために枝を剪る。
減らすことは、
失うことではなく、
次の季節へ向かう準備。
人も、
どこか似ているのかもしれません。
以前の私は、
「もっと!!」
そんな言葉をよく持っていました。
もっと予定を入れて。
もっと作品を作って。
もっと知識を増やして。
もっと情報を集めて。
もっともっと…と
入れる事ばかり…。
けれど、
たくさん持つことが、
必ずしも豊かさではないと気づき始めました。
情報も同じです。
便利な時代だからこそ、
次から次へと流れてきます。
知らないうちに、
誰かの価値観や、
誰かの正解が、
自分の中をいっぱいにしてしまうこともあります。
だから最近は、
「何を知るか」よりも、
「何を入れないか」を
少し意識するようになりました。
予定も。
情報も。
持ち物も。
ひとつ手放すたびに、
心の中に少しだけ余白が生まれます。
昔の私は、
その空白を急いで埋めようとしていました。
でも今は、
その余白に吹いてくる
風を、光を
少し楽しみに待てるようになりました。
不思議なもので、
空いた場所には、
ちゃんと新しい風や光が入ってきます。
新しい出会い。
新しい景色。
新しいアイデア。
そして、
新しい物語。
だから私は、
何かを失うためではなく、
新しい風や光を迎えるために、
少しずつ身軽になっていきたい…。
そんな風に思うのです。
削ぎ落とすことは、
終わりではなく始まり。
余白をつくることは
未来の自分への贈り物。
私にとってそれは、
新しい風と光を迎え入れるための、
小さな儀式なのだと思います。
新しい景色は、足した先ではなく、
身軽になった先で待っているのかもしれません。
その余白に、
そっと草花が咲くように。
私もまた、
ひと針ずつ、
日々を紡いでいきたいと思っています。

∗atelier eni 171∗
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