「樹の根のように」
―ただ静かに―
音のない崩壊
世界が崩れていく音を、
私は遠くの方で聞いていました。
誰かの声も、
助けを求める叫びも、
まるで水の底から響いてくるようで、
現実の音ではない気がしていました。
感覚を閉ざすという選択
感じないように。
気づかないように。
見ないように。
聞かないように。
そうやって、
ひとつずつ
感覚を手放していったのです。
痛みを遠ざけることが、
生きるための術だった。
世界をぼかすことで、
私はまだここにいられたのです。
静寂の芯
何も動かないのに、
どこかで
“終わり”を知っていた気がした。
冷めていたのではなく、
すべてが静まり返るその瞬間の奥で、
確信のような光をかすかに見ていた。
誰にも届かないその光だけが、
私を内側で支えていました。
闇の呼吸
私は止まっていました。
動かない根のように、
闇の中でただ静かに呼吸しているだけ。
その呼吸の向こう側で、
微かに芽吹く何かの気配を感じながら…
――まだ折れてはいない。
見えない根の奥で、
小さな蕾が、
確かに息をしていました。
今、ここにいるあなたへ
もし今、
理由もなく立ち止まってしまったり、
世界が強制的に
閉じてしまったように感じているのなら、
それは、
何かが終わったからではなく、
根が深く潜っている途中なのかもしれません。
無理に立ち上がらなくていい。
前を向かなくてもいい。
ただ、そこにいることだけで、
十分な時間もあります。
闇の中で息をしているその時間も、
あなたの一部です。
折れていない。
終わっていない。
まだ、名前のつかない蕾が、
あなたの奥で、
静かに生きています。
絶対に…
∗atelier eni∗のオンラインショップには、
答えや正解は置いていません。
あるのは、
静かな手仕事と、
触れた人の時間を邪魔しない、
小さな気配だけです。
もし、
何かを探す力もなくて、
ただ枯れない草花を、
闇の中でも咲くことのできた手仕事を
見てみたくなったら…
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