「shizuku no hana」
― 優しさの循環を咲かせて―
雫がカタチになるまで

あの最初の一歩で落ちた “一雫” が、
ゆっくりとカタチになりました。
いっぽマルシェの準備をしていた頃、
ふわっと降りてきた言葉──
「雫」。
その響きに心を掴まれ、
いつかこの言葉を
“花”にしたいと思っていました。
けれど、なかなか形にならないまま
日々が過ぎて…
初めてのマルシェで、
初めて∗atelier eni∗の作品を
お迎えくださった方のお仕事のお名前にも
「雫」の文字があり、
その瞬間、
「これはご縁だ」と思ったのです。
そして、ある日。
静かな朝の光の中で、
突然その姿が見えました。
ハートの奥から生まれる
一粒の雫。
横から見ると、やさしく滴るドロップの形。

ハートから生まれる”shizuku no hana”。
葉脈の様なニュアンスステッチを溶かして…
そのイメージが
“shizuku no hana”の原型になりました。
光と影のあわいに

花びらには、
葉脈のように
ニュアンスステッチを重ねて。
オーガンジーの透け感に、
銀糸のきらめきがそっと寄り添います。
ビーズの透明感と
影のコントラストが溶け合って、
まるで“光が祈る”ように咲くお花。
どんな角度から見ても、
そこには静かな輝きがありました。

そして私は今回も、
影の美しさに心を奪われたのです。

優しさの循環を

shizuku no hana着用イメージ
∗atelier eni∗の世界では、
涙の雫もハートから生まれます。
悲しみの涙だったとしても、
それが心を潤す“恵み”となりますように…
喜びの雫が誰かの微笑みに変わり、
悲しみの雫さえも、
いつか感謝の光へと変わりますように…
影の奥にある想いも、
重みも、痛みも、
すべてを優しさへと紡ぎなおしていく。
どんなネガティブも、
きっと栄養に変えられる。
柔らかな土壌のように受けとめ、
やがて
“らしさ”の花を咲かせていけると信じています。
そんな祈りを込めながら…
今日もひと針、ひと針。
静かな光の中で、
“shizuku no hana” は咲いています。

その後のお話…
今回ご縁のあった方を私は、「雫さん」とお呼びしています。
不思議と共通点も多く、お誕生日まで同じ!!
その後、雫さんは素敵なカフェを始められました。
もちろん、一番のお客さんは私。出会った頃の様に…
そして、そのカフェで個展をさせていただいたりもしています。
また、素敵なカフェのこと、雫さんのこと、
お話させていただきますね。
∗atelier eni 23∗

