「余白を残す。」
― 伝えすぎない、ということ ―
少し前から、
リール動画を作るようになりました。
世の中には、
たくさんの情報が溢れています。
次から次へと流れていく映像。
目まぐるしく変わる景色。
短い時間の中で、
どれだけ多くの情報を届けられるか。
そんなスピードが求められる時代なのだと思います。
だからこそ、
私のリールは少しだけ
逆方向を向いているのかもしれません。
ゆっくりと流れる時間。
風に揺れる草花。
木々の隙間から差し込む光。
針と糸が紡ぐ時間。
静かな景色。
賑やかさよりも、
静けさを。
情報量よりも、
余白を。
そんなことを大切にしながら、
動画を残しています。
それは、
流行に逆らいたいからではありません。
速いものが悪いとも思っていません。
たくさんの情報に助けられることもありますし、
短い時間だからこそ届く想いもあります。
ただ、
∗atelier eni∗が届けたいものは、
少し違うところにあるような気がしています。
作品だけではなく、
その場に流れていた空気。
光の温度。
風の音。
静かな時間。
そういうものまで、
映像の中に残せたらいいなと思っています。
SEOやアルゴリズム。
流行りの編集や、
たくさんの人に届くための工夫。
もちろん、
そうしたことも大切だと思っています。
けれど、
それ以上に大切にしたかったものがありました。
“∗atelier eni∗らしさ。”
そこに耳を澄ませてみたら、
急がなくていいと言われた気がしたのです。
だから、
この速度で。
この音で。
この景色のまま。
もちろん、
見やすく整えることはあるけれど、
編集にもあまり手を加えすぎません。
整えすぎてしまうと、
その日にしかなかった空気まで
薄れてしまうような気がするのです。
少し揺れたカメラ。
風に揺れる葉っぱ。
偶然差し込んだ光。
そのどれもが、
その瞬間だけの景色。
だから私は、
完璧につくり込むよりも、
そのままを残したい。
それは、
作品づくりにも少し似ています。
何時間もかけて、
ひと針ひと針縫い重ねていく作品たち。
そこには、
時間そのものが縫い込まれています。
だから届ける映像も、
その時間の流れを急がせたくありません。
スクロールする手を、
止めてもらいたいわけではなくて。
ほんの少しだけ、
一呼吸つけるような。
そんな時間を届けられたら、
それだけで十分なのかもしれません。
情報が溢れている時代だからこそ、
全部を伝えなくてもいい。
伝えすぎないからこそ、
感じられることもある。
言葉にならないものを、
言葉にしすぎない。
映像にならない空気を、
映像の中にそっと残しておく。
そんな余白も、
∗atelier eni∗らしさのひとつなのだと思っています。
そして、
もしその静かな空気に、
ふと目を留めてくださる方がいるのなら。
もしその景色の中で、
一呼吸ついてくださる方がいるのなら。
私はこれからも、
この速度で、
この空気のまま、
景色を残していきたいと思います。

もしよろしければ、
動画でお届けする∗atelier eni∗の空気感を、
Instagramからそっと覗いてみてください。
Instagram→@atelier.eni
∗atelier eni 172∗
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