「芯の祈り」
― 影より深いところ―
土の奥で息をしていた
あの頃の私は、
もうどこにも属していなかった。
世界の音は遠く、
時間さえも止まってしまったようでした。
針と糸だけが、
かろうじて
“生きている”ことを
確かにしてくれていました。
現実の輪郭は曖昧で、
けれど糸の先にだけ、
確かな感触を感じて…
静寂という土壌
外の世界では何かが崩れ、
何かが終わりを迎えていた。
けれど私の中では、
まだ終わらせることのできない祈りが、
土の底でゆっくりと
根を張っていました。
その根は、
言葉にもならず、
ただ
“在る”というだけの存在。
痛みや孤独を栄養にして、
見えない深呼吸をくり返していました。
もうひとりの私
夜の静寂の中で、
私はもうひとりの
私に出会っていました。
現実とは違う世界線。
針の音が響く
小さなログハウスの中。
光の欠片のような夢だけを、
そっと胸の奥に抱えて…
やがてその根は、
まだ見ぬ地上へと向かって
伸びていく。
けれどその時、
私はまだ知りませんでした。
目的をも持たない
その祈りのような時間が
繋がっていくことを…
それが
“再生” のはじまりであることを…

∗atelier eni 51∗

