「糸の詩」
―結び、紡ぎ、続くもの―
静かなはじまり
静かな時間を編み、
言葉を紡ぐ。
目に見えない想いを、
そのままにしておけなくて、
私は今日も、
糸を手に取る。
針を進めるたび、
時間は、
少しずつ、
カタチを持ちはじめる。
継ぎ、結ぶ
綻びを継ぎ、
ご縁を結ぶ。
切れてしまったように見える場所も、
よく見れば、
ただ、ほどけていただけ。
結び直すことは、
元に戻すことではなく、
新しい強さを
そこに与えること。
撚り合う想い
想いを織りなし、
絆を撚り合う。
一本では細すぎる糸も、
寄り添えば、
ちゃんと、
強さになる。
重なり合い、
絡まり合いながら、
それぞれの色を失わずに、
ひとつの流れをつくっていく。
光と影のあいだ
光を纏い、
影を縫い、
祈りを絡める。
まっすぐな糸だけでは、
描けない模様がある。
ときに、
綾織のように斜めに交わり、
思いがけない景色を
浮かび上がらせる。
続いていくもの
ほどけても、
また結ばれて、
経て、
続いていく。
糸はいつも、
迷いながら、
揺れながら、
それでも、
どこかへ向かっている。
辿る先に
緒をたどれば、
そこに、
誰かの想いがある。
名前のない願い。
言葉にならなかった祈り。
それでも、
途切れず。
優しく、
確かに。
あなたへ結ばれる糸
今日もまた、
ひとつの糸が、
誰かの心に
そっと結ばれていく。
どうか、
この糸が、
あなたに結ばれますように…。

糸の付く漢字はたくさんあるけれど、とても深くて、大切な言葉ばかり…
そんな、糸の付く漢字の言葉を並べて…
∗atelier eni 114∗

