「糸の奥に眠る、立体の魔法」
― 平面では満たされない、光と影の物語―
息吹を宿す手
立体刺繍は、
糸と布の間にそっと
「命の息吹」を吹き込む、
静かな手仕事のひとつです。
糸を重ね、縁にワイヤーを通し、
布を少しずつ持ち上げるたびに、
花びらや葉はふわりと立ち上がり、
小さな生命を宿します。
その瞬間、作品は平面の世界を超え、
光や影と戯れる独自の表情を纏い、
まるで生きているかのように感じられます。
物語を編む時間
私の作品づくりは、
ひと針ひと針の試行錯誤から始まります。
デザインを描き、試作を重ね、
糸の重なりや形の微調整を繰り返すその過程は、
ひとつの小さな物語です。
どんなに細やかでも、正解はありません。
だからこそ、
独学で生み出した手法や技法を自由に組み合わせ、
私自身の世界観を形にしていきます。
生きる表情を纏わせる
立体刺繍の魅力は、
角度や光の当たり方によって変わる
微細な表情です。
葉や花びらの陰影、
ふんわり揺れる形、小さな動き……
そのすべてが
「生きる温もり」を宿します。
拘るけれど、囚われず、
平面刺繍や立体編みも取り入れながら、
表現の幅を広げることで、
ひとつひとつの作品が
唯一無二の存在として完成します。
世界にひとつの花
今日もまた、
私は針と糸を手に取り、
小さな花たちに息を吹き込みます。
正解のない世界だからこそ
無限の可能性があり、
自由な創造の中で
作品たちは生き続けます。
生まれたばかりの
小さな花たちは、
こちらのギャラリーにも
そっと並んでいます。
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糸で書いた物語が、
あなたの手の中で
花開くことを願いながら…
ひと針を重ねています。

∗atelier eni 3∗

