「愛のカタチ」
―空の青の一滴―
交わらなかった時間のあとで
同じ空の下にいても、
交わらないまま
過ぎていった時間があります。
言葉を尽くしても届かず、
沈黙のまま
並んで立っていた日々…。
けれど、
そのすれ違いの積み重ねが、
確かに私を生かしてきたのだと、
今なら静かに思えるのです。
それぞれが、守ろうとしていたもの
愛のカタチは、
それぞれでした。
守りたいものも、
手放せなかったものも
大切にしたいものも
違っていました。
それでも、
どちらも嘘ではなく、
どちらも、
その人なりの祈りだったのです。
ただ、
向いている方向が
少し違っていただけ。
どちらも、
間違ってはいない。
もしかしたら、
そうやって
絶妙なバランスを
取り合っていたのかのしれない。
光を選ばなかった花
闇の中で、
美しく咲いた花がありました。
光を拒まず、
光を求めることもなく、
ただ、その場所で
静かに息をしていました。
咲くことそのものが、
祈りであり、
赦しでした。
終わりが、ほどけていくとき
風が吹く。
花びらが儚く舞い上がり、
空の青の一滴の中へ
溶けていく…。
終わりは、
失うことではなく、
形を変えて
還っていくことのように
私には思えました。
同じ光の中、闇の中に
涙と光が重なって、
虹がひとすじ、
空に浮かんだ。
悲しみも、愛も、
祈りも、それぞれの想いも…
みんな
同じ光の中に在りました。
それと同時に、
同じ闇の中に。
どちらかを選ばなくても、
重なっていたとしても、
きっと同じこと。
ただ、
どちらを見つめるかだけ…
闇を潜り抜けてきたからこそ
光であると
確信できる。
残ったものを、抱いたまま
それぞれの色が、
混ざり合うように溶けていく…。
そして私は、
その光の中に
ただ立っていました。
空の青の一滴が、
いまも
静かに胸の奥に残っています。

nyahmullkroppe様の描く作品×gin-eni no hana。
∗atelier eni 86∗

