「冬の終わりに」
―光を受け継ぐ ―
静かな循環
雪はやがて溶け、
水となり、大地を潤していく。
凍りついていた時間も、
やさしくほどけて、流れはじめる。
音もなく続いていた季節が、
知らないうちに形を変え、
目に見えないところから
新しいめぐりを運んできます。
終わりはいつも、
静かな変化の中にあるのかもしれません。
息づく種
冬のあいだずっと、
大地の奥で息づいていた種たちが、
光を受け取り、静かに目を覚ます。
まだ小さく、頼りなくても、
その命は確かに未来へ向かっている。
終わりのように見えたこの季節は、
実は始まりの支度をしていました。
見えない場所で重ねてきた時間が、
春という名の光に触れようとしています。
祈りの余白
手放すことも、受け取ることも、
すべてはめぐりの中のひとつの息。
満ちたものがほどけ、
空いた場所にやさしく光が差し込む。
静けさの中に生まれる余白は、
次の季節を迎えるための大切な場所。
その余白の中で、
私はまた次の春を見つめています。
何かを終えることは、
何かを迎えることでもあるのだと知りながら…。
受け継がれる光
∗atelier eni∗ の花たちも、
ひとつの灯を胸に抱いたまま、
新しい季節へと歩き出そうとしています。
形は変わっても、
手から離れても、
その光はどこかで続いていく…。
やさしい記憶のように、
ぬくもりの粒のように、
誰かの時間の中でそっと灯り続ける…。
もしかすると、
受け継がれていくものは、
目に見えるかたちだけではないのかもしれません。
ふとした瞬間に思い出すぬくもりや、
理由もなく心がほどけるような時間…。
言葉にならないまま残っていく光が、
季節を越えて、
誰かの中で静かに灯り続けていく。
それは、
確かにここにあった証のように、
やさしく次の春へと手渡されていきます。
光は消えない。
形を変えて、誰かの中でまた灯る。
めぐりながら、受け継がれながら、
季節の奥で静かに息をしているのです。
冬の終わりに
すべてがほどけていくこの場所で、
私はそっと空を見上げる。
冷たかった風の奥に、
やわらかな気配が混じりはじめています。
冬の名残を抱いたまま、
それでも世界は確かに春へ向かっている。
あなたの中にも、
ひとつの春が息づいていますように…。
まだ見えなくてもいい。
まだ小さくてもいい。
その光が、
あなたの季節の中で
やさしくほどけていきますように…。
この冬の終わりに、
やわらかな春の気配をまとった
草花たちが
アトリエに並びはじめています。
もしよろしければ、
∗atelier eni∗ の小さな春を
そっと覗いてみてください。
∗atelier eni∗ online shop -minne-

∗atelier eni 129∗
