「八ヶ岳の麓で芽吹く、私の記憶」
―幼い日の種から、今日の花が咲くまで ―
根っこになった記憶
もし、atelier eniの物語が生まれる
「息吹」が宿る場所があるとしたら、
それはきっと、ココ。
八ヶ岳の麓。
糸で綴る物語の、最初のひと針。
そのはじまりは、
遠い記憶の風景にあります。
幼い頃、
3年間だけこの地で暮らしていました。
おとぎ話のような、
森の中の小さなログハウス。
そこで憧れた、
フラワーフェアリーズの仕掛け絵本。
夢中になっていた、
クロスステッチ刺繍。
今、その全てが
創作活動の種となっています。
あの日の記憶、澄んだ空気、木々の香り──
私の原点がココに集まっていたのです。
その全てが私の作品の根っことなり、
未来へと静かに伸びる支えになっています。
茎と葉が伸びる時間
再びこの麓の地に戻ったとき、
幼い頃見た景色や
身に沁みる空気の温度から、
胸の奥に眠っていた色彩を
鮮やかに蘇らせました。
長い暗闇から光を探し続けた日々の後、
針と糸に意識を委ねる静かな時間は、
大地から伸びる茎のように、
私自身をそっと
立ち上がらせてくれました。
長い暗闇でさえ、
∗atelier eni∗という花の咲く、
土壌となり、栄養となり…
今に繋がっていると感じます。
私の原点がぎゅっと詰まっているような、
記憶と感覚、
「想いのカケラ」の種が
私をこの地に運び、
刺繍という葉を広げる。
それが、
atelier eniの世界の輪郭を形作っています。
ここは、
幼い日の夢の続きを紡ぐ魔法の場所であり、
物語の全てが眠る
「心の約束の地」です。
花を咲かせる願い
茎の先に咲く小さな立体刺繍の花こそが、
∗atelier eni∗の世界そのもの。
作品を身につけてくださる皆さまの日常に、
八ヶ岳の澄んだ空気、
木漏れ日の静かな安らぎ、
そして幼い私が見た輝き──
小さな物語の風景を
優しく届けられますように…
この「根」と「花」の物語が、
あなたの手の中で
さらに美しく咲き誇るように、
今日もまた、
八ヶ岳の光と風に包まれながら、
針と糸は記憶をそっとつないでいます。

∗atelier eni 4∗

