「光の輪郭」
― はじまりの息吹―
静かな呼吸
静かな土の下で、
長いこと息をひそめていた想いが、
少しずつ、
光の在りかを感じはじめました。
地上から降りてくる
微かなあたたかさ…
それは
音のようで、風のようで、
遠いどこかで鳴る
呼吸の記憶でした。
まぶたの裏の光
気づけば、
閉じていた心の奥に
小さな芽が顔を出していました。
眩しかった。
少し怖かった。
けれど確かに、
私の中で何かが動きはじめていました。
つながるカケラたち
広がって、繋がって、
深めていく中で、
うっすらと見えていた
カケラたちの輪郭が、
はっきりと形になっていくのを感じていました。
大切だと思える人たちへ、
そっと手のひらの花を渡すように、
立体刺繍のアクセサリーを
贈ってみたりしていました。
糸が教えてくれた名前
そこに込めたのは、
これまでの時間と、
言葉にならなかった祈り。
点と点が繋がり、
すべての出来事が、
やさしく円を描いていきました。
気づけば、
これまでの痛みや祈りが、
一本の糸でつながっていました。
胸の奥に沈んだまま、
名前を持てなかった感情たち。
そのままでは
ただ、痛みとして
私の内側に滞っていたのだけれど、
糸に触れ、
カタチを与え、
色を重ねていくうちに…
それらは
誰かに手渡せる
あたたかな存在へと
変わっていったのです。
そこには、
温かな循環を感じられたのです。
滞っていたものたちが
優しいカタチに変わり
廻り始めたのです。
そしてその糸が、
ひとつの名前を教えてくれました。
光の輪郭
∗atelier eni∗。
それは、
光に出た想いが、
初めて得た“輪郭”でした。
そして、光の中で見た自分の影に、
私は静かに気づいていたのです。

eni no hana。6枚花びらのキセキ。
∗atelier eni 55∗

