「ふたつの景色」
―並んで見ていた空 ―
色の違う空
同じ空を見ていたはずなのに、
見えていた色は、
きっと違っていた。
正しさも、正義も、正論も、
光の当たる角度ひとつで
変わってしまう。
それぞれの瞳が持つ色眼鏡が、
世界の色を決めていた。
交わらない線
どちらも正しくて、
どちらも間違っていた。
何度もぶつかって、
すり合わせようとして、
それでも世界線はずれていた。
同じ地図を持っていても、
指す方角が
違っていたのかもしれない。
矛盾という祈り
光の中で影を抱くように、
矛盾は、
私の物語の一部だった。
泣くことも怒ることもできず、
ただ静かに
「そうだったのだ」と受け入れる。
夜の底にあっても、
微かな光を信じていた。
正解のいらない場所
∗atelier eni∗の世界は、
正しさを測らなくていい場所。
正解でも、間違いでも
構わない。
私が満ちているのなら、
あの人が満ちていたのなら、
あの人を満たせるのなら…
それが誰かの目に違って見えても、
それでいい。
ただ寄り添っていたいだけ。
縁の向こうに
それでも願ってしまう。
もう一度でいい。
ご縁の糸を手繰り寄せるように…
風のようにすれ違った二つの景色が、
どこかでまた
重なりますように…

∗atelier eni 79∗

