「ことばの花」
―名前に宿る想いと小さな物語 ―
名前に息づく小さな魔法
作品には、
それぞれに名前があります。
ただの記号ではなく、
ひとつひとつの名前は、
草花の息づかいや、
手仕事に込めた想いを映す、
静かな鏡のよう。
その響きが、
見る人の心にそっと届くとき、
作品はさらに
命を帯びて輝き出します。
キセキを託した名前
代表作「eni no hana」は、
現実にはほとんど存在しない
六枚花びらの花。
心の中で育んだ“奇跡”を、
形と名前に託しました。
「キセキ」を願う瞬間、
そっと寄り添う小さな花。
名前を呼ぶたび、
日常の中にひらりと
魔法が舞い降ります。
現実と想像の狭間で
草花に“eni”を重ねることで
生まれる名前もあります。
ビオラに“eni”をかけた
「violeni」は、
現実の花と心の中の想像が出会い、
名前という小さな扉を通して、
新しい物語を咲かせます。
その響きに触れると、
風に揺れる花の香りや、
朝露に光る葉の輝きまで、
心の中にそっと広がるようです。
ローマ字の響きが紡ぐ余韻
もうひとつ、
∗atelier eni∗の草花の名前として特徴的なのは
日本語の音をそのままローマ字にした名前。
羽のように軽やかな
「hane no hana(羽の花)」、
水滴のように清らかな
「shizuku(雫)」、
小枝のようにそっと伸びる
「koeda(小枝)」……
ローマ字にすると少し読みづらいけれど、
文字を追い、意味を想像する時間が、
作品と向き合う
小さな儀式のようになります。
名前とともに咲く花
だから私は、
ひとつひとつの作品に、
心からの名前を贈ります。
その名前とともに、
作品はあなたのそばで、静かに、
でも確かに小さな奇跡を咲かせてくれる――
そんな思いを込めて。

viola×eni=violeni
∗atelier eni 16∗

